マニマニの中でもひときわ存在感を放つ、大きなカウンターテーブル。
実はこのテーブル、ちょっと不思議な縁があって僕らのもとにやってきました。
それは、こんなドラマでした。

最初の出会いは2025年の冬。
粉塵を舞い上げ、騒音をご近所におかけして、
通りがかった方々に「すみません」とご挨拶をしながら、
マニマニの修繕作業が始まっていました。
そんな頃。
マニマニのすぐお隣にあるリフォーム会社さんのお店先に、
大判の立派な座卓天板が立てかけてあるのを見かけていました。

「マニマニにカウンターテーブルをしつらえる」
それは早い段階で決まっていたものの、
肝心の天板の入手先については、全くアテがありませんでした。
だから、
「あの天板、欲しいなあ。」
お店の前を通るたび、そんなふうに眺めているばかりでした。
天板、マニマニへきたる
3月のある日。
ニュードのつっち〜が、プライベートでお仕事をお願いしたご縁から、
「あの天板って、使う予定があるんですか?」
「今度カウンターテーブルを作る予定なんですが、ちょうどいいなと思って」
そんな話をしてみたところ、なんと快く譲っていただけることに!
こうして、あの大きな天板がマニマニに運び込まれてきました。
後日、やなぎが天板に黙々とやすりをかけていると、
お向かいのお宅から、おばあちゃんが窓を開けて声をかけてくれました。
「それ、お隣さんに置いてあったやつじゃない? 磨いて使うの??」
譲ってもらえたんだと話すと、
「なんでも使えるものねぇ!」と感心したご様子。
「そうだ、あれお願いできるかしら」
おばあちゃんは何やら抱えて降りてきました。
「これね、ガタつくのをなんとか直したいんだけど、あなたどうにかできる?」
アンティーク調の丸いサイドテーブル。
気に入って長く愛用しているから捨てたくはないけれど、
安定が悪いので困っているのだと言います。

古いネジを取り外して、ボンドとネジでしっかり留め直すと、
サイドテーブルはまたしっかり立つようになって、
おばあちゃんは本当に喜んでくれました。
それ以来、マニマニで作業をしていると、
毎回のように様子を見に来てくれるようになったおばあちゃん。
「このあいだの、あの大きなテーブルは何になるの?」
「もっと磨いて、この施設の顔になるようなカウンターテーブルにするんです。」
そう伝えると、「へえ、楽しみね!」と目を輝かせてくれます。
おばあちゃんはもうすっかり、
このマニマニの今後を楽しみにする仲間になりました。
おばあちゃんの秘密
冬が過ぎて春が訪れた頃、
「カウンターテーブルはできた?」
おばあちゃんが様子を見に来てくれました。
あの天板は、低いボックスの上に乗せて座卓として使っていました。
カウンターを作るには、
基礎となる土台をまず作らないといけないけれど、土台がまだありません。
「実はね」と、
おばあちゃんは切り出しました。
「あのテーブル、私が買ったものなの。」
おばあちゃんが還暦を迎え、年金がもらえるようになった頃。
家族みんなで使えるものを、と選んだのがあの大きな座卓でした。
けれど、いざ家に置くと少し大きすぎた。
そのうち部屋の隅に移動して、物置台になってしまったそう。
色んなものを載せているうちに
表面の塗装が融けてベタベタになってしまい、結局手放すことに。
「リフォーム会社さんなら、何かに活用してくれるかも」と思い、
引き取ってもらったもののずっとお店先に置かれていた、と話してくれました。
「そうしたらある日ね。」
おばあちゃんの顔がほころぶ。

「窓の外を見たら、あなたが外でそれを磨いていたでしょ!」
「私、本当に嬉しかったのよ。」
みんなのカウンターテーブル
いつも黙々と作業しているときに、
優しく寄り添ってくれるお隣さん。
そう感謝しつつも、実は心のどこかで、
連日DIYで騒々しくして、
「今日もやるのか。」「いつまで続くのか」
そんな遠回しな苦情だったらどうしよう。
ちょっとソワソワする気持ちがありました。
でも、おばあちゃんは、
かつて手放してしまった思い出のテーブルが、
もう一度誰かに愛され、
息を吹き返すまでの物語を見届けに来てくれていたのでした。
一度は引き取り手もなく、長く外に置かれていたテーブルが、
まさか目と鼻の先の古民家で、
たくさんの若者や地域の人に囲まれて使われる日を迎えるなんて。

マニマニのカウンターテーブルには、
お向かいのおばあちゃんとの、そんなドラマがありました。
(おばあちゃんに、掲載許可をいただいてあります。)