アイスコーヒーショップを開店するために必要なのは、
おいしいアイスコーヒー、それだけではありません。
「このお店で、こういうサービスを提供しますよ。」
そういう届けを保健所に提出して、
事前の許可を得ることが必要です。

この日、ラボメンたちは、
平塚保健所の食品衛生課の窓口を訪れていました。
「こんなに大勢で、どうしました?」
学生服を着たグループの来訪者に驚きながら、
職員の方が声をかけてくれました。

古民家で、飲食店の営業許可を取りたいんです。
「飲食営業、ですね。」
まだ戸惑っている様子の職員の方に、

市民活動と学校で連携した、
課外学習の一環なんです。
やなぎがそう説明すると、
職員の方は「なるほど」という顔をして、
受付での案内を始めてくれました。

これが図面です。
どこをチェックされて、何を言われるんだろう。
少しの不安もありながら、
スケッチブックに書いてきた、間取りの図面を見てもらいます。

「店内で飲食をするということですね?」
「お客さんの入店はどこから?」
「食器棚はどこに?」
「手洗いは、これですか?」
職員の方から、いろいろなことを質問されます。
嘘を言う必要はありません。
これまで丁寧に作ってきた通り、
一つ一つ答えるだけ。
ラボメンを代表して職員のお姉さんと話している二人の後ろ、
通路をはさんだ待合席で残りのメンバーが耳をそば立てていると、
その様子を見ていた職員の方が、
「みんなで聞きたいでしょう。」
窓口のまわりに移動するよう促してくれました。
「ほかの方の通行の、邪魔にならないようにね。」
やさしい声でした。

・
・
・
あっと言う間だった保健所での出来事からの帰り道、

もっと、役所っぽいのかと思ってた。
想像していたよりも、わかりやすいやり取りだった。
意地悪言われたりとかするのかと思った。
保健所を出た面々はそれぞれの感想を口々に、

今日もらった申請書は、
ニュードの名義で書いておくから、
また来週、提出しに来よう。
この日は、それぞれの帰路に着きました。

翌週、記入した申請書を携えて、
ラボメン全員で連れ立って、二度目の保健所に向かいました。
保健所は、マニマニから歩いて5分ほど。
すぐ近くなんです。

この入り口に立つと、
もう何度も来ているような気もしてきます。
中に入って窓口に着席すると、
先日とは違った職員の方が対応してくれました。
すると、先日気にかけてくれた職員の方が、
「(先週、一通り確認してるから。)」
窓口の職員の方に耳打ちをするように手早く引き継ぎをして、
生徒たちの冒険をスマートにフォローしてくれました。

持ってきた申請書も差し出して、
先週は聞かれなかった細かいことを聞かれたけれど、
それにはやなぎが対応しました。
「手洗いはレバー式?」
「肘で下げられる、レバーです。」
「キッチンの天井は?梁は?」
「2.4mほどの手の届くもので、梁は出てません。」
「キッチンの壁は砂壁?」
「石膏ボードにキッチンパネルです。」
「食器棚は、戸棚ですか?」
「カウンター下のが戸棚で、シンク上のは開放です。」
窓口での10分ほどの問答が終わると、
最後に、現地調査に来てもらう日程を決めて、
この日もお開きとなりました。

本特別連載記事『ただいま開店準備中!』も、
いよいよクライマックスが近づいて来ました。
真夏のDIYで幕を開けた大冒険、
商品開発ばかりでなく、
なんと飲食営業許可だって、
学生が申請しちゃうんですから。
平塚保険福祉事務所・食品衛生課の職員の皆さん、
親切に対応してくださり、どうもありがとうございます!