Tシャツは、いくつかのパーツを縫い合わせて作られています。
たとえば左右の脇から裾を繋ぐ縦のライン“見頃脇（みごろわき）”や、
胴体と袖を縫い合わせる“アームホール”など。
一般的な縫い方では、
生地の端がシャツの内側に折り込まれます。
その縫い代（ぬいしろ）が、
肌に当たることで強い刺激になることも。
ほかにも、
そもそも見頃脇に縫い合わせのない
「丸胴（まるどう）」という作り方もあります。
これは生地を筒状に編む方法で、
肌のことを優先するなら理想的な仕様です。
でもこの方法にはひとつ難点が。
Tシャツのサイズごとに輪っか状の生地を作る必要があるため、
サイズ分けの細かい子ども用ではとても非効率。
各サイズごとに大量に作れなければ生産ラインの実現は難しいのです。
そこでニュードでは、
胴部分は前面と背面の２枚の生地を縫い合わせる“横割り”の仕様に。
けれど、そのまま一般的な縫い方をするのではなく、
ひと工夫、アイデアを凝らすことにしました。
選んだのは「フラットシーマー縫製」。
「平らな、縫い目（フラット・シーマー）」の名前のとおり
生地の段差ができず、内側にも縫い代が出ないという、
ちょっと特殊な縫い方なんです。
肌にやさしくて、作る現場にも無理がない。
それに、この縫い目ってなんだか愛嬌があると思いませんか。
妥協せずに自分たちが一番納得できるやり方を選んだ結果、
デザイン的にもおすすめできるものになったのは、ラッキーでした。
ニュードのTシャツの一番の特徴と言っても過言ではない、縫い合わせ方のお話でした。
この連載も折り返しを迎えました。最後まで楽しんでお付き合いください。
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