この冬、
平塚中等教育学校に通う8人の生徒さんと一緒に
また一つ大きな冒険をしてきました。
それはこれまでのニュードの冒険とは一味違う、
“工業”の世界を垣間見て、実際に触れるような体験になりました。
遡ること2025年11月の中旬、
秋の深まる平塚総合公園、その隣にある平塚中等教育学校の教室の一つに。
もはやおなじみとなったじぶんラボの時間、
ニュードのやなぎがまた何かの企みを携えて、現れました。

はじめまして、のあいさつに続けてやなぎが言ったのは、

ワタクリ機を、作りたい。
ということ。
また突然、何を言い出したのでしょうか。
そもそも、綿繰り(わたくり)ってどんな作業?
綿花を育てて綿を摘むと、それを繊維として使うために、
「綿繰り(わたくり)」と呼ばれる加工の作業が必要です。
指先ひとつでできる、単純な作業

綿繰りには、なんの道具も必要ありません。
指でひとつまみの”原綿”を持って、
その中に埋もれている種から、綿の繊維を引っ張って抜き取る。
綿と種をそれぞれ別の袋に入れて、次の原綿をまたつまみあげる。
このくりかえし。
綿の繊維は、
生えている方向に引っ張ってあげればほとんど力もいらず簡単に引き抜ける。
でも種を中心に放射状に生えているので、
束(たば)で掴んでしまうと力を込めてもなかなか抜けません。
だから、なるべく繊維が生えている方向に向けて、
指先に集中して、種からまっすぐに、無理なく引っ張ります。
単純な作業は、誰かとのおしゃべりが大事。
原綿の詰まった袋を真ん中に置いて、
ちょっとしたコツを見つけるための探求を友達と一緒にするのは、
それはそれでとても豊かな時間です。

手作業の現実
だけど実際にやってみてわかるのは、
「あれだけの人数で、これだけの時間やって、成果はたったのこれだけ!」
そう、綿繰りはとても時間と手間がかかる作業なんです。
さらに翌日になると、指先を鈍痛が襲います。
ギターを習い始めたばかりのひとが経験するような、
あの容赦ない痛みが、綿繰りに励んだ次の日には必ず襲ってきます。
(歴戦のギタリストにも、もれなく襲ってきます)
完成品の綿繰り機も売られているけど、
そういったものを買うお金も、
大きな工業用の機械を置く場所も僕らにはありません。
それにせっかくなら、
「あんなに大変な綿繰りの作業が、どうして市販の機械だと簡単にできてしまうのか。」
それも知っておきたいんです。
やなぎが話したのはそんな内容でした。
机に放り出された袋かに詰まった原綿をつまみ出し、
ふわふわの感触を確かめたり引っ張ったりしながら説明を聞いてくれた生徒たち。
課題の共有ができたら次は本題。
そんな「綿繰り機」をどうしたら僕らが作れるというのか。
次の記事に進んで、もう少しだけやなぎの話を聞いてみましょう。
たいへんな綿繰り(わたくり)の作業 おわり