ニュードコットンニュードクラブインタビュー

7. 趣味が仕事に変わる瞬間。その予兆。 【田中さんにうかがった染織のこと】

学びの多かった田中さんのインタビューもいよいよ最終回。
最後の更新は、大先輩と若者がクリエイターとしての魂をぶつけ合う一問一答となりました。

最初から読んでいただいた方も、つまみ読みしてくださった方も
今回のニュードの冒険に立ち会っていただきありがとうございました。
どうぞ最後までお楽しみください。

じぶんラボ
じぶんラボ

私からまた質問なんですが
さっきの質問で「調子がいい」っていう感覚のこととか
代表作といえるものができたり
とかっていうお話しをいただいたんですけど

※「調子がいい」っていう感覚のことは、3. 見て、持って、触ってもらって伝わることの回、
代表作といえるもののことは、4. 縄文時代の衣生活を垣間見るの回でそれぞれ伺いました


作り手としての“自信”は具体的に
いつできたというか
いつ感じられるようになったんですか。

私、編み物を趣味でやっていて
結構もう小学校3年生ぐらいから
ずっとやってるので年数だけは長いんですけど
まだ誰かにあげるとかなったときに
本当にこれでいいのか…って、自信がないっていうか。

ひらつか産業FESでお客さんに気に入ってもらおうと手編みした、うさぎのぬいぐるみ
田中さん
田中さん

これはもう
「これを仕事にしましょう!」
って言った時に初めて本気になるので(笑)

「これを人に見てもらわなきゃいけない」
「これを人に言わなきゃいけない」
っていうときには本気にならなきゃいけないので
それから芽生えますよね。

田中さん
田中さん

「ただ好き」でやってるっていうと
「まあ、このくらいでいいか」とか
「この辺でちょっと結び目があってもいいか」とか
ってなる(妥協してしまう)けど

売らなきゃいけなくなると
真剣にそれに向き合わなきゃいけないので
結果「ああ、すごくいいのできた!」っていうふうになってきて。

これ、売りたくない(名残惜しい)なっていうのも
作れたりもするんですよね(笑)

だから趣味でも
多分、誰かにあげて気に入ってもらおうとか
誰かもしかしたら好きな人がいて
その人に「うまいね」って思われるのを作ろうと頑張ってみると
すごい、いいのができたりする。

人に認められないと買ってもらえないので
人に認められようっていうふうに思ったりしながら
作っていかないと、なかなかね。

じぶんラボ
じぶんラボ

そうなんですね。

作るのも誰かにあげることを決めるのも自分なんですけど
やっぱり、最終的には人からの印象っていうのが
モチベーションになるっていうのはすごくよくわかります。

お客さんに喜んでもらえることは、作り手にとっての何よりのご褒美だよね(やなぎ)
田中さん
田中さん

そうですね、喜んでもらわないと。
やっぱり同じ織りをやってる方とか。

自分はいろんなものづくりの人と知り合いなので
他の人から褒められたら
「この人に褒められたんだから、すごい」って思える。

自分の尊敬してる、羊を飼って自分で紡いでやってる方が
岩手の方でいられるんですけどその方に褒められると
「ああ、やってよかったな!」って。

ほかにも、すごくよくしてくださった
かごを作ったりするバスケタリーの作家さんがいるんですけど
その方に褒められたりするとね。
「よし!」
ってなったり(笑)

先日やなぎが伺った展示会「糸」で見た、田中さんの作品
じぶんラボ
じぶんラボ

ああ、確かに…。

忙しくなってもここまで続けてたのは多分
いつも父とか、誰かが褒めてくれたのが私の原動力だったので
とても実感しました。

孤独な一面もあるものづくり、誰かが見てくれたり誰かと一緒に作ることが続ける力にも(やなぎ)
田中さん
田中さん

そういう経験をね
どんどん、どんどんやっていくと
よしこれを作って、それを人に売っていこうっていうふうに
思ったりする時がくるかもしれないですね。

じぶんラボ
じぶんラボ

うーん…そうなんですね!!

ばで
ばで

(笑)

やなぎ
やなぎ

(笑)

夢中になりすぎてみんな足が痺れました(笑)

楽しかった田中さんとのお話はここまでです。

「承認欲求」という言葉が恥ずべきものとして言われることも多い昨今ですが
創作への飽くなき衝動も、クオリティアップのこだわりも
クリエイターを突き動かすのはいつも
「あの人を驚かせたい」
そう思う純粋な気持ちなのかもしれませんね。

面白いお話をたくさん聞かせていただいただけでなく
各自それぞれに多くのことを考えるきっかけをくださった田中さん
本当にありがとうございました!
(やなぎ)

最後に!

ニュードの活動に参加してくれた生徒たちが
田中さんに伺って学んだことをさらに深めた独自調査と
課題研究の総括をまとめた素敵なレポートを提出してくれました!

ニュードのブランドカラーや青空と雲のモチーフをあしらった
なんと爽快なレイアウトデザイン!!

11人で一緒に臨んだ共通の機会に対して
それぞれ独自の角度から深めてくれた意欲はさすがとしか言えません。
ぜひ、生徒たちの冒険の軌跡を温かい目で見てあげてください。

【田中さんにうかがった染織のこと】
おわり

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